釶打の地域資源
この釶打には、自然と歴史に恵まれた多くの地域資源があります。国の重文建造物に指定された藤津比古神社(鎌倉時代建立)や座主家(近世の茅葺の農家)をはじめ、中世の山城跡や砦跡、今も住民の信仰を集める五ヶ寺などの史跡があります。四季折々には田んぼや山の豊作祈るとともに、収穫を感謝する祭りや行事も行われています。また、山から湧き出た水は、棚田の米や中島菜といったおいしい農作物をはぐくみ、藤瀬の霊水(平成の名水100選)は病をも治すといわれています。なにより、日本の原風景に出会える、ふるさとのような地区です。
藤瀬の霊水
中島町藤瀬に住む座主家の当主が、枕元にあらわれた月光観音のお告げにしたがってここの水を飲み続けたところ、重度の神経痛が治ったという実話で有名になりました。
やわらかい口当たりで、この水でいれるコーヒーは絶品。一年を通して水をくみにくる人が絶えません。
周りは霊水公園として整備され、地元の新鮮野菜が手に入る直売所もあります。
中島菜
自家野菜として古くから中島町を中心に栽培されてきました。
他のアブラナ科の植物と交雑しやすいため、他の土地で育てると違う形になりやすい特徴があります。
雪解けの春先に収穫され、漬物やおひたしなどにして食されてきました。
中島菜には血圧上昇を抑える成分が多く含まれていることが最近の研究でわかり、注目をあびています。
棚田
釶打のお米は、虫ヶ峰や別所岳の渓流をそのまま用水とし、水田も粘質土で昔からおいしい米どころとして有名です。
山間の棚田を守り続けるため、昔ながらのハザ干し米づくりに取り組んでいます。
夏祭り(新宮納涼祭)
藤津比古神社で8月14日の夜に行われます。暑い夏の夜、神様が川原へ夕涼みにおいでになるのだといわれています。
それぞれの在所から出発した奉燈(キリコ)が神社に集まり「ヤンサコ」の祭唄のはやしにのり、境内を練りまわります。その後、神輿のお供をして「みずおとし」と呼ばれる川原へむかい、キリコの乱舞のうちに祭りは最高潮となります。
釶打のキリコは昔ながらのロウソクを使っているのが特徴。静かな農村の夏の夜に、ゆらゆらゆらめくキリコの灯りはとても幻想的です。
秋祭り(新宮祭)
稲刈りの季節を迎える9月、中島町では連日秋祭りが行われ、毎日どこかで祭り太鼓が響きます。
「枠旗」と呼ばれる真紅の大旗がこの地域の祭りの特徴で、在所ごとに団結のシンボルとして担ぎ出します。
独特の動きで行列を先導する猿田彦も見ものです。
釶打の秋祭りは、9月23日に藤津比古神社で行われます。それぞれの在所から枠旗や神輿が藤津比古神社に集まり、「みずおとし」へ渡御をし、枠旗が乱舞して祭りは終了です。
最近では若者が減り、枠旗を出せる在所も少なくなってしまっています。
釶打の年間行事